さくらのクラウドの特徴・料金・評判【2026年最新】
最終更新日: 2026/03/06
さくらのクラウドの概要
さくらのクラウドは、さくらインターネット株式会社が提供する国産IaaS(Infrastructure as a Service)型のクラウドサービスです。1996年に創業した老舗のホスティング事業者であるさくらインターネットが、そのインフラ運用ノウハウを活かして2011年にサービスを開始しました。
国内に石狩データセンター(北海道石狩市)と東京データセンターの2拠点を構え、低レイテンシーかつ高品質なクラウド環境を提供しています。日本国内のデータセンターのみでの運用であるため、データの国外流出リスクが無く、個人情報保護法やガバナンス要件に配慮したシステム構築が可能です。
2025年には、デジタル庁が推進する「ガバメントクラウド」の認定を受け、官公庁・自治体のシステム基盤としても利用可能になりました。これにより、国産クラウドとしての信頼性がさらに高まっています。
Publicクラウドの比較一覧についてはPublicクラウド比較一覧表をご参照下さい。
さくらインターネットのVPSサービスについてはさくらのVPSのページをご参照下さい。
レンタルサーバーについてはさくらのレンタルサーバーのページをご参照下さい。
公式情報
特徴・強み
国内データセンター(石狩DC/東京DC)
さくらのクラウドは、以下の2つの国内データセンターを運用しています。
| データセンター | 所在地 | 特徴 |
|---|---|---|
| 石狩データセンター | 北海道石狩市 | 国内最大級の自社DC。冷涼な気候を活かした省エネ冷却。外気冷房により電力効率が高い。2011年稼働開始。 |
| 東京データセンター | 東京都内 | 首都圏からの低レイテンシーを実現。金融・エンタープライズ向けに最適。 |
データが国内にのみ保管されるため、日本の法令に準拠したデータガバナンスを実現できます。特に個人情報や機密データを扱うシステムにおいて大きなメリットとなります。
日本語サポートの充実
AWS、GCP、Azure等のグローバルクラウドでは英語のドキュメントが中心ですが、さくらのクラウドは全てのドキュメント・マニュアルが日本語で提供されています。
- コントロールパネルは完全日本語対応
- 電話・メールによる日本語サポート
- 詳細な日本語マニュアル・チュートリアル
- 日本語でのコミュニティ・ユーザーグループ
- 請求書払い対応(法人向け)
これにより、英語に不慣れなエンジニアやシステム管理者でもスムーズに導入・運用が可能です。
ガバメントクラウド認定
2025年、さくらのクラウドはデジタル庁の「ガバメントクラウド」に国産クラウドとして認定されました。これは、政府・自治体のシステム基盤として利用可能であることを意味し、以下のような案件での採用が期待されています。
- 自治体の基幹系システム(住民記録、税、福祉等)
- マイナンバー関連システム
- 官公庁の業務システム
- 防災・災害対策システム
これまでガバメントクラウドはAWS、GCP、Azure、Oracle Cloud (OCI)のみが認定されていましたが、さくらのクラウドの参入により国産の選択肢が加わりました。データの国外流出を懸念する自治体にとって、国産クラウドの選択肢が増えた意義は大きいと言えます。
シンプルな料金体系
さくらのクラウドの料金体系は、AWSなどと比較して非常にシンプルです。
- 時間課金 + 月額上限制: 利用時間に応じた時間課金ですが、月額上限が設定されているため、月額以上の請求が発生しません。日割りのような感覚で利用できます。
- ネットワーク転送量無料: 共有セグメントを利用する場合、インターネットへのデータ転送量は100Mbps共有回線であれば追加料金なし。AWSやGCPでは大きなコスト要因となるアウトバウンドトラフィック料金が不要です。
- 見積もりが容易: 複雑な従量課金要素が少ないため、月額費用の見積もりが簡単です。
豊富なサーバーラインナップ
一般的な仮想サーバーに加え、以下のようなサーバータイプを提供しています。
- 通常サーバー: 1Core/1GB〜20Core/224GBまで柔軟なスペック選択
- 専用サーバー: 物理サーバーを占有。ノイジーネイバー問題なし
- GPUサーバー: NVIDIA GPU搭載。AI/機械学習/ディープラーニング用途に
- コア専有サーバー: CPUコアを専有するプラン。安定したCPU性能が必要な場合に
- Windows Server: Windows Server対応プランも提供
充実したネットワーク機能
- スイッチ: サーバー間のプライベートネットワーク構築
- ルーター+スイッチ: 静的IPアドレスブロック付きのルーティング
- VPCルーター: VPN接続(IPsec/L2TP)、ファイアウォール、NAT等
- ロードバランサー: 複数サーバーへの負荷分散
- DNS: DNSホスティング
- GSLB: 広域負荷分散
Terraformサポート
Infrastructure as Code(IaC)のデファクトスタンダードであるTerraformに公式対応しています。terraform-provider-sakuracloudが提供されており、インフラのコード管理が可能です。
また、sacloudプロジェクトとして、CLI(usacloud)やGo言語用のSDK等のOSSツール群も公開されています。
料金体系
さくらのクラウドは時間課金と月額上限の2段階の料金体系を採用しています。使った分だけの時間課金ですが、月額上限を超えることはないため、予算管理がしやすい設計です。
以下は主な料金の参考値です(税込、2026年3月時点)。最新の正確な料金は公式料金ページをご確認ください。
サーバープラン料金
| プラン | vCPU | メモリ | 月額上限(税込) | 時間単価(税込) |
|---|---|---|---|---|
| 1Core-1GB | 1 | 1GB | 1,540円 | 約2.2円/時 |
| 2Core-4GB | 2 | 4GB | 3,850円 | 約5.5円/時 |
| 4Core-8GB | 4 | 8GB | 7,700円 | 約11円/時 |
| 6Core-16GB | 6 | 16GB | 15,400円 | 約22円/時 |
| 8Core-32GB | 8 | 32GB | 30,800円 | 約44円/時 |
| 10Core-48GB | 10 | 48GB | 46,200円 | 約66円/時 |
| 12Core-64GB | 12 | 64GB | 61,600円 | 約88円/時 |
| 20Core-128GB | 20 | 128GB | 123,200円 | 約176円/時 |
ディスク料金
| ディスクタイプ | 容量 | 月額(税込) |
|---|---|---|
| SSDプラン | 20GB | 220円 |
| SSDプラン | 100GB | 1,100円 |
| SSDプラン | 250GB | 2,200円 |
| SSDプラン | 500GB | 4,290円 |
| SSDプラン | 1TB | 8,580円 |
| SSDプラン | 4TB | 34,320円 |
オブジェクトストレージ料金
| 項目 | 料金(税込) |
|---|---|
| ストレージ容量 | 11円/GB/月 |
| リクエスト | 無料(通常利用範囲) |
| データ転送量 | 無料(通常利用範囲) |
S3互換APIを備えているため、既存のS3向けツール・ライブラリがそのまま利用可能です。
ネットワーク料金
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 共有セグメント(100Mbps共有) | 無料(サーバー料金に含む) |
| ルーター+スイッチ(100Mbps/1Gbps/5Gbps等) | 月額3,300円〜 |
| グローバルIPアドレス(追加) | 月額2,200円/ブロック〜 |
ポイント: 共有セグメント利用時はデータ転送量課金がありません。これはAWS等のグローバルクラウドと比較した際の大きなコストメリットです。
他のクラウドとの比較
さくらのクラウドと主要Publicクラウドの比較表です。
| 比較項目 | さくらのクラウド | AWS | GCP | Azure | OCI |
|---|---|---|---|---|---|
| 提供元 | さくらインターネット | Amazon | Microsoft | Oracle | |
| 国産 | ○ | × | × | × | × |
| 日本DC | 石狩/東京 | 東京/大阪 | 東京/大阪 | 東京/大阪 | 東京/大阪 |
| ガバメントクラウド | ○(2025年〜) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| サービス数 | 約30種 | 200種超 | 100種超 | 200種超 | 80種超 |
| 転送量課金 | なし(共有) | あり | あり | あり | あり(低額) |
| 月額上限 | あり | なし | なし | なし | なし |
| 日本語サポート | ◎(ネイティブ) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 料金の分かり易さ | ◎ | △ | △ | △ | ○ |
| Terraform対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| グローバル展開 | ×(日本のみ) | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
| 請求書払い | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 最小構成月額目安 | 約1,760円 | 約2,000円〜 | 約2,000円〜 | 約2,000円〜 | 約1,500円〜 |
さくらのクラウドが向いているケース:
- データを国内に閉じたい(データソブリンティ要件)
- 日本語でのサポート・運用を重視する
- 月額費用を明確に把握・管理したい
- ネットワーク転送量が多く、転送量課金を避けたい
- 官公庁・自治体向けシステム
- グローバル展開の予定がない国内向けサービス
AWS/GCP/Azure等が向いているケース:
- グローバル展開が必要
- マネージドサービスを多数活用したい
- AI/ML等の先端サービスをフル活用したい
- 大規模なオートスケーリングが必要
- 既存のグローバルクラウドのノウハウ・人材を活かしたい
提供サービス一覧
コンピューティング
- サーバー - 仮想サーバー(1Core/1GB〜20Core/224GB)
- コア専有サーバー - CPUコアを物理的に専有する仮想サーバー
- 専用サーバー - 物理サーバーを丸ごと占有
- GPUサーバー - NVIDIA GPU搭載の高性能サーバー
- エンハンスドロードバランサー - L7ロードバランシング、SSL終端
ストレージ
- ディスク - SSDベースのブロックストレージ(20GB〜4TB)
- アーカイブ - ディスクイメージの長期保管
- オブジェクトストレージ - S3互換のオブジェクトストレージ
- NFS - ネットワークファイルシステム(共有ストレージ)
ネットワーク
- スイッチ - プライベートネットワーク構築
- ルーター+スイッチ - 静的IP付きルーティング
- VPCルーター - VPN(IPsec/L2TP)、ファイアウォール、NAT、DHCP
- ロードバランサー - L4負荷分散
- ブリッジ接続 - 石狩DC・東京DC間接続
- ハイブリッド接続 - オンプレミスとの閉域接続
- パケットフィルタ - ファイアウォール機能
データベース
- データベースアプライアンス - PostgreSQL/MariaDBのマネージド型データベース。レプリケーション対応。
その他のサービス
- DNS - DNSホスティング
- GSLB - 広域負荷分散(ヘルスチェック・重み付け対応)
- シンプル監視 - サーバーの死活監視・URL監視
- オートスケール - サーバー台数の自動増減
- ウェブアクセラレータ - CDN機能
- セキュアモバイルコネクト - IoT/M2M向けモバイル閉域接続
- コンテナエンジン - Kubernetes互換のコンテナ実行環境
評判・口コミ
良い評判
- 国産クラウドとしての安心感: データが日本国内にのみ保管されるため、データソブリンティ(データ主権)を確保できる。個人情報を扱うシステムで特に評価が高い。
- 日本語サポートの質: コントロールパネル、マニュアル、電話サポートすべてが日本語ネイティブ対応。技術的な質問にも的確に回答してもらえるという声が多い。
- 料金の透明性: 月額上限制と転送量無料により、「使いすぎて高額請求」というクラウド破産のリスクが低い。予算管理がしやすい。
- ガバメントクラウド認定: 官公庁・自治体案件での採用が可能に。国産クラウドを使いたいという要件に応えられる。
- 石狩DCの環境への配慮: 北海道の冷涼な気候を活かした外気冷房により、環境負荷の低い運用が可能。ESG/SDGs観点での評価も高まっている。
- コントロールパネルの使いやすさ: シンプルで直感的な日本語UIで、初めてのクラウド利用でも迷いにくい。
気になる点
- サービス数の制約: AWS(200種超)やGCP(100種超)と比較すると、提供サービスの種類は約30種と少ない。サーバーレス(Lambda相当)やフルマネージドなAI/MLサービス等はまだ限定的。
- グローバル展開不可: データセンターが日本国内のみのため、海外ユーザー向けのサービスには不向き。海外リージョンでの展開が必要な場合はAWS等を選択する必要がある。
- コミュニティの規模: AWS/GCPと比較すると、日本語の技術情報やQiita等の記事数は少なめ。ただし公式マニュアルの充実度でカバーされている。
- マネージドサービスの充実度: RDS相当のデータベースサービスはあるが、DynamoDB、Redshift、BigQuery等の高度なデータ分析基盤は提供されていない。
設定・始め方
ステップ1: アカウント作成
- さくらのクラウド公式サイトにアクセス
- 「お申し込み」ボタンをクリック
- さくらインターネットの会員IDをお持ちでない場合は新規会員登録
- 会員登録後、さくらのクラウドのコントロールパネルにログイン
- 利用開始に際しクレジットカード情報を登録(法人は請求書払いも可)
ステップ2: サーバー作成
- コントロールパネルから「サーバー」→「追加」を選択
- ゾーン(石狩第1/石狩第2/東京第1/東京第2)を選択
- サーバープランを選択(vCPU数とメモリ容量)
- ディスクの種類と容量を選択(SSD 20GB〜4TB)
- OS(アーカイブ)を選択:
- Ubuntu 22.04 / 24.04
- AlmaLinux 9 / Rocky Linux 9
- Debian 12
- CentOS Stream 9
- Windows Server 2022(別途ライセンス料)
- SSH公開鍵を登録(既存の鍵を使用 or 新規作成)
- ホスト名とパスワードを設定
- 「作成」ボタンをクリック → 数分でサーバーが利用可能に
ステップ3: ネットワーク設定
- 共有セグメント利用(デフォルト): サーバー作成時に自動でグローバルIPが割り当てられます。基本的なWebサーバー用途はこれで十分です。
- プライベートネットワーク構築: 「スイッチ」を作成し、複数サーバーをプライベートLANで接続します。DB等の内部サーバーはプライベートネットワーク側にのみ接続することで、セキュリティを確保できます。
- ルーター+スイッチ: 専用のIPアドレスブロック(/28等)が必要な場合に利用します。静的NATやファイアウォール設定も可能です。
ステップ4: セキュリティ設定
- パケットフィルタ: コントロールパネルから設定可能なファイアウォール。必要なポート(22, 80, 443等)のみを許可しましょう。
- VPCルーター: より高度なセキュリティが必要な場合、VPCルーターでVPN接続やファイアウォールルールを設定します。
- SSH鍵認証: パスワード認証を無効にし、SSH鍵認証のみに制限することを推奨します。
- 2段階認証: さくらのクラウドのコントロールパネルへのログインに2段階認証を設定しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q: さくらのVPSとさくらのクラウドの違いは何ですか?
A: さくらのVPSは月額固定料金のシンプルな仮想サーバーサービスです。一方、さくらのクラウドはIaaS型クラウドで、仮想ネットワーク(VPC相当)、ロードバランサー、マネージドDB、オブジェクトストレージ等のクラウド機能をフルに利用できます。単体のWebサーバー用途ならVPS、複数台構成やネットワーク分離が必要な本番システムにはクラウドが適しています。
Q: AWSやGCPからの移行は簡単ですか?
A: サーバー(IaaS)レベルでの移行は比較的容易です。OSやミドルウェアはそのまま利用できます。ただし、AWSのLambda、DynamoDB、S3等のマネージドサービスに依存している場合は、アプリケーション側の改修が必要になります。オブジェクトストレージはS3互換APIを備えているため、S3からの移行は比較的スムーズです。Terraformを利用している場合は、providerの差し替えで対応可能な部分も多いです。
Q: SLA(サービス稼働レベル保証)はどうなっていますか?
A: さくらのクラウドは、サーバーのSLAとして99.99%の月間稼働率を保証しています(品目により異なります)。SLA未達の場合はサービス料金の減額措置があります。詳細は公式SLAページをご確認ください。
Q: 無料トライアルはありますか?
A: さくらのクラウドには、初回利用時のクーポンやキャンペーンが不定期で実施されることがあります。最新のキャンペーン情報は公式サイトをご確認ください。AWSのような12ヶ月の無料枠のような常設の制度はありませんが、時間課金で最小構成(1Core/1GB + SSD 20GB)なら月額1,760円程度で利用開始できます。
Q: バックアップはどうすればよいですか?
A: 以下の方法でバックアップが可能です。
- ディスクのクローン・アーカイブ: コントロールパネルからディスクのスナップショット(アーカイブ)を取得できます。アーカイブは別ゾーンへの転送も可能です。
- 自動バックアップ: 自動バックアップ機能で定期的なバックアップスケジュールを設定可能。
- オブジェクトストレージ: 重要なファイルはオブジェクトストレージに定期的にバックアップすることを推奨します。
まとめ
さくらのクラウドは、国産IaaS型クラウドとして独自のポジションを持つサービスです。AWSやGCPのようなサービスの幅広さには及びませんが、以下の点で強みを発揮します。
- データの国内保管によるデータソブリンティの確保
- シンプルで分かりやすい料金体系(月額上限制、転送量無料)
- 日本語ネイティブの充実したサポート
- ガバメントクラウド認定による官公庁・自治体案件への対応
- Terraform等のIaCツール対応
特に「データを日本国内に閉じたい」「月額費用を明確に管理したい」「日本語でのサポートを重視する」といったニーズがある場合、さくらのクラウドは有力な選択肢となります。
一方で、グローバル展開やマネージドサービスの豊富さを求める場合は、AWSやGCP等のグローバルクラウドが適しています。プロジェクトの要件に合わせて最適なクラウドを選択しましょう。
Publicクラウドの比較についてはPublicクラウド比較一覧表もあわせてご参照下さい。