Publicクラウドの条件
文章目的
レンタルサーバーもVPSもクラウドサービスですが、所謂Publicクラウドと言われるサービスとの境界線はどこにあるか。
それについて、自分なりに定義してみます。
Publicクラウドの比較一覧についてはPublicクラウド比較一覧表をご参照下さい。
Publicクラウドの条件
自分の考えるPublicクラウドサービスの基本は
①揮発性(サーバーを時間単位課金で作ってすぐ捨てる事が出来る)
②冗長性(一台サーバーが落ちてもサービスの継続が可能=ロードバランサー、ローカル接続等が必要になる)
③拡張性(データを維持したままのスペックアップが可能)
④自動化(最大限に人の手間をかけさせずにサービスが自律稼働出来る)
を満たすサービスになりますが、その具体的チェックポイントとして、以下のポイントを満たすサービスを、Publicクラウドサービスと定義します。
- 複数のデータセンターを日本の同一リージョン内で提供
- 複数のデータセンターのサーバにトラフィックを振り分けれるロードバランサーを提供してる
- SSL証明書をLBに載せることが出来る
- SSL証明書の自動更新サービス提供
- Object Storageが提供されてる
- 無停止スナップショットの取得と、スナップショットからのインスタンスの立ち上げが出来る
- DBAAS(Database As A Service)が提供されてる
- プライベートネットワークが利用可能
- SLAが99.9%以上
- LBとDNSの為のAPIが用意されている
PublicクラウドとVPSの境界線は曖昧になってきていますが、未だ大きく残っている差は、複数のデータセンターをまたいだ自動冗長システムを、サービス側の機能を利用して簡単に実現できるかどうかが、明確な差として残っていると言える状態かと思います。
上記条件を満たしてないが近しいPublicクラウドの状況
満たしていない部分はありますが、価格等は一般的にフルなサービスより安いので、許容出来る欠点ならば、採用候補になるかと思います。
なお、VPSでは満たしている所がない「複数DC間の冗長性・負荷分散」は、GeoDNSを使えば、生き死に応じてDNSが割り振るIPアドレスを1分毎の生き死にチェックで変えてくれるので、複数DC冗長機能がないVPSでも、複数DC冗長性の追加が実現出来る様になり、安価ながら堅牢なマルチクラウド環境の構築が可能になります。
ConoHaが満たしてない点
– 複数のデータセンターを日本の同一リージョン内で提供
– SSL証明書をLBに載せることが出来る
– SSL証明書の自動更新サービス提供
– 無停止スナップショットの取得と、スナップショットからのインスタンスの立ち上げ
DigitalOceanが満たしてない点
– 複数のデータセンターを日本の同一リージョン内で提供
– 複数のデータセンターのサーバにトラフィックを振り分けれるロードバランサーを提供
Linode
– 複数のデータセンターを日本の同一リージョン内で提供
– 複数のデータセンターのサーバにトラフィックを振り分けれるロードバランサーを提供
– SSL証明書の自動更新サービス提供
– DBAAS(Database As A Service)を提供
Oracle Cloud
– 複数のデータセンターを日本の同一リージョン内で提供
– SSL証明書の自動更新サービス提供
Vultr
– 複数のデータセンターを日本の同一リージョン内で提供
– 複数のデータセンターのサーバにトラフィックを振り分けれるロードバランサーを提供
– SSL証明書の自動更新サービス提供
– DBAAS(Database As A Service)を提供
上記条件を満たしているPublicクラウド
AWS, Azure, GCP, IBM Cloud
詳しくはPublicクラウド比較をご参照下さい。